厚生年金の加入

厚生年金の加入は会社設立後に必須な手続きの一つ

厚生年金は民間の会社に勤めている人であれば、誰もが関わることになる年金保険です。会社にいち社員として勤めているうちは、自分自身や家族の年金の支払いと受け取りのことだけを気にすればよかったですが、独立して会社設立をした場合は自身だけでなく、会社に勤める者全員の厚生年金について、保険料が正しく支払われ、将来従業員が会社をやめた後に十分な金額の年金が受け取れるように管理する責任が生じます。

厚生年金は原則として事業所を単位として適用され、加入形態については、要件を満たせば必ず加入しなければならない強制適用事業所と、加入義務は無く日本年金機構からの許可を受ければ加入が可能となる任意適用事業所の2種類があります。法人についてはすべて強制適用事業所に分類され、規模や従業員の意思に関係なく、会社設立後には必ず加入手続きを行わなければなりません。

厚生年金の加入手続きは会社設立後5日以内に、会社設立地を管轄する年金事務所に届出書類を提出することによって行います。加入するために必要な届出書類は「新規適用届」と、被保険者となる従業員全員分の「被保険者資格取得届」の2種類で、従業員に被扶養者が1人でもいる場合はその者に関する「被扶養者(異動)届」も必要です。また、保険料を銀行口座からの自動引き落としで支払う場合は「口座振替納付申出書」も一緒に提出します。届出書類は年金事務所にすべて備え置かれているほか、日本年金機構のホームページからは口座振替納付申出書以外の様式をダウンロードできます。年金事務所から手に入れる場合は、窓口で「会社設立をしたので厚生年金の加入手続きをしたい」と伝えて書類を受け取るか、郵送で書類一式を取り寄せましょう。

届出書類に必要事項を記入し終えたら、年金事務所の窓口に直接赴くか、最寄りの日本年金機構の事務センターに郵送して提出します。書類に不備がなければ、後日事業所に届出書類の事業主用の控えと、各従業員に交付する年金手帳と健康保険証が送付されてくるので、事業主と従業員はそれぞれ大切に保管しましょう。なお、届出書類の提出時には、新規適用届については履歴事項全部証明書や不動産登記事項証明書、公共料金の領収書などの添付が、被扶養者(異動)届については、該当する被扶養者の健康保険被保険者証や課税証明書などの添付が必要になっています。また、窓口で手続きを行う場合は、出勤簿や賃金台帳、就業規則などの提示を求められる場合があるので注意が必要です。

会社設立後の厚生年金の加入手続きの流れは上記の通りですが、加入後は従業員が支払うべき保険料のうちの半分を会社が負担しなければなりません。会社設立時に従業員を雇いすぎると、保険料の支払いがかさんで会社の事業の実施に影響が出る可能性があるので、発起人や税理士、社会保険労務士などと相談しながら従業員の雇用計画を立てていきましょう。”